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雪炎―富士山最後の強力伝

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 富士山山頂にある測候所へ冬の間21年間に渡り生活物資を運び続けた強力、並木宗二郎の壮絶な人生を描いた作品。10日に一度の強力の仕事を中心に、冬季だけで400回富士山に登ったという。しかしそれは生きてくためであった。アイゼンも効かないほどのアイスバーン、その場にいるのが精一杯の強風、そして滑落。この本には死と隣り合わせの冬の富士山の姿が描かれているのではないでしょうか。

 冬の測候所へ行く場合は御殿場口からの登山道を使用するという。もっとも、斜度の緩い部分は雪上車で上がるそうだけど。富士山スカイラインから歩き出してすぐのところに太郎坊という施設があったが、隊員はそこから出発したそうである。僕は今年、双子山には2回程行ったけど、なんだか見事富士山の魅力に取り付かれてしまった気がする。そんな僕にとって、冬の富士山にはどのような歴史があり、どのような人々がそこを歩いたかということにはとても興味深いもので、面白い作品でした。ちなみに富士山測候所はレーダー観測が終了したこともあり2004年秋を持って72年にわたる有人観測に区切りをつけ、冬期間は完全閉鎖となったそうです。
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